寒冷地仕様エアコンと普通のエアコンの違い

北海道や東北地方の寒冷地でも、夏の最高気温が30℃を超える日が多くなってきました。

その影響で、エアコンをつける世帯が増えております。

せっかくつけたんだから「冬も使いたい!」と思うのが、人ってやつですよね。


でも、寒冷地仕様エアコンと普通のエアコンって「どっちつければいいの?」と疑問が生まれるものです。

そこで今回は、寒冷地仕様エアコンと普通のエアコンの違いについて解説します。




●そもそもエアコンの仕組みとは


エアコンは「ヒートポンプ」という仕組みで動いています。

いきなり「ヒートポンプ」といわれても「?」ってなっちゃいますよね(笑)

仕組みは下記のような図で表せます。


ヒートポンプとは、暖房運転の場合、


1. 室外機の熱交換器で空気中の熱エネルギーを外気から取り入れます。

2. 熱エネルギーを加えた冷媒をコンプレッサーで圧縮し、室内機へ運びます。熱は熱い方から冷たい方に移動する特性があります。

3. 室内の冷たい空気を、暖かい冷媒にのせて室外機へ運び野外に放出します。



冷房の場合は暖房の逆になるので、


1. 室内機の熱交換器で、室内の暖かい空気を冷媒にのせて、室外機に運びます。

2. 室外機の熱交換器で外気の熱エネルギーを取り込み、コンプレッサーで膨張させ、冷たい冷媒に変えます。

3. 室内機の冷媒が室外機に移り、同時に室外機の冷たい冷媒が室内機に移り、室内に冷たい空気が届きます。

4. 室外機に移った冷媒を圧縮し、野外に放出します。

冷媒とは、熱エネルギーを運ぶガスのことです。圧縮することで熱くなり、膨張することで冷たくなります。


「外気って冷たいから熱なんてないんじゃないの?」と思うかもしれません。

熱=エネルギー】と考えていただければ、分かりやすいかと思います。

冷たいと感じているのは人間だけです。


寒いから熱がないわけではなく、5℃の外気には5℃のエネルギー、-10℃の外気には-10℃のエネルギーがあるというわけです。

このエネルギーを、効率よくエアコンのヒートポンプに使っています。



●寒冷地仕様エアコンの特徴3選


エアコンの動く仕組みがわかったところで、普通のエアコンとの違いをみてみましょう。

今回は、寒冷地仕様エアコンの3つの特徴を解説します。



○室外機の機能がパワフルに


実は、寒冷地仕様エアコンと普通のエアコンでは、室内機に関してはとくに違いはないんです。

違いがあるのは室外機になります。


一番大きな違いは2箇所あります。

熱交換器とコンプレッサーの大きさになります。


熱交換器については1.5倍で、通常機種では2列なのに対して寒冷地機種では3列になっております。

熱交換器の役割は、空気中の熱エネルギーを取り込むことでしたね。


外気温が低くなるにつれて、熱エネルギーも取れなくなっていきます。

そこで、熱交換器の表面積を大きくしたり、増やしたりすることで熱エネルギーをしっかり集められるようにしています。


お次はコンプレッサーについてです。

シリンダー容量が通常機種では14ccに対して、寒冷地機種は22ccと大きくなっており、なんと1.6倍になります。


冷媒をより強く圧縮することで、すぐに暖かくすることができます。

そのためには容量の大きいコンプレッサーが必要というわけです。

寒冷地ではより外気温が低くなりますので、より大きいコンプレッサーがないと、暖かい空気を室内に送ることができないわけですね。



○室外機にヒーターを搭載


寒冷地仕様エアコンには、室外機の底にヒーターが搭載されています。

冷媒が霜などで凍ってしまうと、風路がなくなってしまい、室外機の故障原因になってしまいます。

そこで、ヒーターを使うことによって回避しているのです。


一般地と寒冷地の違いは、やはり雪ですよね。

この雪が原因で室外機が故障することが多いんです。

そこで、寒冷地仕様エアコンでは、エアコンが停止中でもファンが自動で動いて、雪が入り込まないようにする間欠運転をする機種もあります。


雪の降雪量の多い地域では、防雪フードや高置台を室外機につけて、雪対策をすることもあります。


○霜取り運転中でも暖房がとまらない


冬場にエアコンを使ってて、一番辛いのがこの「霜取り運転」です。

霜取り運転とは、室外機が霜などで凍ってしまう現象を防ぐ運転です。

そのため、普通のエアコンでは霜取り運転中は暖房が止まってしまいます


暖房が止まってしまうと室温は徐々に下がっていき、部屋は寒くなります。

一気に室温は下がらないんですが、人間は不思議なもので「暖房が止まった」ことに気づくだけで、めちゃくちゃ寒くなったと錯覚してしまうのです。


しかし、寒冷地仕様エアコンはそんな心配まったくありません。

霜取り運転中でも暖房が止まらないんです。

寒冷地では暖房が止まってしまうと、命取りになってしまいますよね。


そのため、室外機の氷を溶かすために、コンプレッサーから出る熱を蓄熱して防いだり、熱交換器を増やして1つは暖房に、もう1つは霜取り運転に使って防止しております。



●「寒冷地仕様エアコンと普通のエアコンの違い」まとめ


今回は「寒冷地仕様エアコンと普通のエアコンの違い」について解説しました。

普通のエアコンでは-5℃までしか対応できないのに対し、寒冷地仕様エアコンは-25℃まで対応します。


最低気温が-10℃以下になる、北海道や東北地方では、普通のエアコンでは使いものになりませんね。

室内機についてはとくに変わらないんですが、室外機がパワフルになっていて、1〜2ランク上の定格出力を有するものを使っています。


そのため、外気温が-15℃のときでも室内は60℃の温風が出るので、寒冷地でも安心して使えますね。




エアコンのご購入から取り付け工事等をご検討のかたはお気軽にご相談ください。



菜花空調HP

https://www.nabana-kuuchou.com


施工事例や保有資格もこちらへ掲載しております。

https://www.nabana-kuuchou.com/showcase

https://www.nabana-kuuchou.com/license


<お電話でのお問い合わせ>

0800-800-4787(通話料無料)